脚本・監督・プロデュース
山元眞希
有田あん
An Arita
1987年7月15日生まれ。大阪府吹田市出身。
劇団野生児童主宰、脚本・演出・役者。大阪出身。台湾とのハーフである。立命館大学、新演劇研究会劇団月光斜で芝居を始める。同時に、学内だけでなく京都の小劇場にも数々出演。演技指導にも関わる。2011年に上京。ENBUゼミナールで作・演出を始め、学内大会で作品賞を受賞。オーディションを経て劇団鹿殺しに出演。ENBUゼミナール卒業後、劇団鹿殺しの劇団員となる。(2023年8月に退団。)2015年に舞台活動を中心とするプロデュースユニット野生児童を旗揚げし、本格的に舞台の作・演出を始める。2019年に、有田杏子から有田あんに改名。認知症を患う母とその家族を描いた短編映画『光の中で、』(2019)で映像初監督。本作が、長編映画初監督である。俳優との出演作として、映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』(2022)、ドラマ「うちの弁護士は手がかかる」(フジテレビ)などがある。
ー知らないことが多すぎるー
妊娠中の友人の相談を聞いた時に何度も感じた。 妊娠、出産。当然だが、今生きているのはお母さんが妊娠して出産してくれたから。 ということはどんな考えを持っていても関係ない人なんていない。 しかし、前のめりにならないと知る機会がない。私自身も、「いつか」と思っていた。 「こんな大事なこと、誰か取り上げてくれないかな」 悩みに悩んだ友人が私に言った。それがこの映画の第一歩となった。
妊娠・出産に不安はつきものだがその実態は本人しか分からない。 急に母親父親になり莫大な情報量に悩む。診察室で医師とどんな会話を交わすのか。 そもそも妊娠するまでにも沢山のドラマがある。やむを得ない事情で中絶する方もいる。 自分の両親はどんなことで悩んだのか、いつも見かけるあのご家族はどんな苦難を乗り越えたのか。 そんなことを考えられるきっかけがあったら、少しだけ優しい世界になるんじゃないか。 未来の選択肢が広がるんじゃないか。そう思い、このテーマに向き合うことを決めた。
私はこの映画制作をきっかけに妊活・不妊治療を始めた。 想像していた以上に「孤独」だった。 初めての事への不安と情報量の多さにストレスも溜まる。 身体の変化を体感できない男性は、何を言葉にしていいか迷う時もある。 男女共に、周囲に話しづらかったり、理解してもらえないもどかしさも感じるだろう。 時には自分を責めてしまう時もある。 そんな方々に「どんな決断も間違っていない」と伝えたい。
この映画が大切な人と話すきっかけになったり、 皆さんの未来の選択肢が増えると幸いです。